恋に落ちた海賊王:ナギ
□because...I love her
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「because…I love her 2」
ナギ目線で。
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「ナギさん!ソウシ先生連れてきました!」
「ナギ、☆☆ちゃんに目隠しをして!」
トワもドクターも、厨房の中へ入ってこようとしない。
「目隠し?」
「急いで!」
シュルっとバンダナを外して、手早く☆☆に目隠しをした。
☆☆はもう暴れず、されるがままに大人しくしている。
「いいぞ。」
厨房に二人が入ってきた。
「ナギ、☆☆ちゃんはどのくらいの量を食べた?」
「・・・減ってるかどうかわかんねぇくらいだから、十数粒ってところだ。」
「そうか・・・。取り乱してはいないみたいだね。」
「さっきトワが出て行った時は暴れたんだが。」
「とりあえず、医務室に運ぼう。
☆☆ちゃん、わかるかい?今から医務室に行くからね、大丈夫だよ。」
ドクターの問いかけに、目隠しをした☆☆は無反応だった。
一瞬ドクターと目配せをして☆☆を抱えた。医務室へ連れて行くと、ドクターは☆☆をベッドに寝かせるよう手で示して何やら色々と処置の準備を始めた。
「ちょっとチクっとするよ。」
注射を打ちしばらくそのまま様子を見ていたドクターは、俺を促して一緒に医務室の外へ出た。
医務室の前では、トワが心配そうに待っていた。
「トワが最初に☆☆ちゃんを見つけたの?」
「は、はい。僕の事、弟さんだと思い込んでたみたいです。」
「そうか・・・。いいかい二人ともよく聞いて。プフの実は、別名媚薬の実って言われていて、催淫作用が出る事があるんだ。」
ドクターがひとつ溜め息をつく。
「サイイン作用?」
きょとんとしたトワが復唱すると、ドクターは少し笑った。
「うん、まぁ平たく言えばエロい気分になるって事だね。」
「!」
「幻覚作用じゃなかったのか・・・。」
「もちろん幻覚作用もあるんだよ。個人差もあるし摂取量によって出たり出なかったり、よくわかってない事が多いんだけれど、特に女性は色々複雑に作用が出るみたいでね・・・。
それに・・・最初に目を合わせた異性に惚れるという噂もある。」
「えええっ!僕、☆☆さんに最初に見られちゃいましたよ!?」
「うん。弟と間違えたって事は、今回はそういう風に作用しなかったか、ただの噂だったか・・・。」
「じゃあ、どうして目隠しを?」
「頭が混乱してる状態だからね。今はトワを弟と間違えただけで済んだけど、異性を見ているとどうなるかわからないから、念の為ちゃんと毒抜き出来るまで外さない方がいい。」
「☆☆は途中から全く喋らなくなったが・・・俺達の会話は理解してるんでしょうか?」
「どうだろう。・・・たぶん、聞こえてはいても頭には入っていないんじゃないかな。」
少しの間、沈黙が流れた。
くそッ、さっさと毒抜きしておくんだった。
「さて、ここは私に任せて。ナギもトワも、戻っていいよ。」
「・・・・・・」
ドクターは微笑んで頷いた。
「大丈夫。任せて。」
「・・・たのんます。」
to be continued
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2014-09-23 (Tue) 15:24
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