恋に落ちた海賊王:シン
□波紋
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シンさんの部屋に転がり込んだヒロインとの初めての一夜を妄想してみました。
「波紋」
シン目線で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「・・・ッ!」
頭に衝撃を感じて、夜中に目が覚めた。
すぐに、☆☆の腕がオレの額を直撃したのだと悟り、イラッとしながら半身を起こす。
・・・コイツは、なんでこんなに寝相が悪いんだ・・・・・・!?
つい数時間前もベッドから転がり落ちてきた事を思い出して、ギロリと睨みつけながらベッドから放り出された腕を掴むと、少し乱暴に元に戻してやる。
と、すぐにまた腕が飛んできた。
「コイツ・・・!」
一体どんなノーテンキな夢を見てやがんだ。
いっそのこと
ベッドに縛り付けてやるか・・・!?
「・・・うぅ・・・」
今度は寝言か!?
なんなんだ一体。
海賊船に乗せられた女が、なんでこんな無防備で・・・・・・
「おかぁ・・・さ・・・」
「・・・!」
ハッとして視線を戻すと、こちら側に寝返りを打っていた☆☆の顔が、薄暗がりの中によく見えた。
「待って・・・お母さ・・・・・・」
☆☆の手が、わずかに上がった。
「・・・・・・」
その手を受け止めると、☆☆の閉じた瞼から、涙がぽろぽろと続けざまに流れた。
「・・・☆☆」
・・・当たり前だが返事はない。
手をゆっくりと包むように握る。
しばらくそうしたまま、動けずにいた。
・・・耳に、声が残る。
予想外に衝撃を受けている自分が不思議だった。
そっと涙を拭いて、手を離した。
さっきまで寝ていたところから、少し離れて毛布にくるまる。
別に、オレの知ったことじゃない。
・・・そう思うのに、なかなか寝付けなかった。
「こら!起きろ、クソガキ!」
「ほえ?」
昨夜の事など、まるでなかったかのように眠りこけている☆☆に、ついイラッとして叩き起す。
「ったく・・・寝ぼけてんじゃねーぞ。」
ここはどことばかりにボーッとしている☆☆に思わずため息が出た。
くそっ、こっちは結局良く眠れなかったってのに。
「・・・早く顔を洗え。いいか?タダで飯が食えると思うなよ。」
慌てて身支度を整える☆☆を横目に、昨日の寝言の声が耳の奥にこびりついたように離れなかった。
準備の出来た☆☆を連れて操舵室に向かいながら、複雑に胸が騒いでいた。
オレが、寝ている他人の手を取ってやるなんて。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・今日は、寝言を言う余裕もない程に疲れさせてやる。
END
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
シンさんプレイ中なんですが、
やっぱりイマイチ、シンさんが掴めません。
ヒロインが海賊船に乗り込んだ翌日から、
ヒロインを気にかけて、逃がそうとしてやったり銃まで渡したり、
挙句危険も顧みずに海に飛び込んで助けたり。
シリウスの中でも
一線引いたような立ち位置にいる彼が、
たった一晩で、どうしてこうもヒロインに構うのか。
私の勝手な想像ですが、
シンさんは、親からの愛情を求めて得られなかった子供特有のひねくれみたいなものがあるのかも。
だから、愛情を素直に表現出来ない。
でも、本当は誰よりも愛に飢えてる・・・みたいな。
そして、そんな自分にジレンマを感じているから、裏表のない単純で素直なヒロインに惹かれてしまうのかも。
例えば、夜中寝言で「おかーさん」と言いながら泣いているヒロインを見たりしたら、衝撃を受ける度合いは、船員中一番なんじゃないだろうか・・・・・・
などと考えて、この話を書いてみました。
シンさんファンの方、
気に障ったらごめんなさい・・・。
あと、あとがきが長くて
ごめさい(。-人-。)
2012-05-26 (Sat) 16:24
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