恋に落ちた海賊王:ソウシ
□コンプレックス
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「コンプレックス 後編」
ソウシ目線で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
雑貨類の買い出しから戻ったトワに船番を代わってもらって、私と☆☆ちゃんは街へ買い出しに出掛けた。
「ソウシさんとお出かけ、久し振りですねッ」
「うん。薬品はすぐ買えるだろうから、ちょっと寄り道していこうか。」
「ほんとですか?わーい!」
あまりゆっくりはしていられないけれど、無邪気に喜ぶ☆☆ちゃんの笑顔は私の心もはしゃがせた。
必要な薬品の買い出しを終えると、☆☆ちゃんと二人であちこち見てまわる。
ただ手を繋いで歩いているだけなのに、なんて穏やかで幸せな時間なんだろう。
☆☆ちゃんの手が、私の手を取って、私を見て、笑顔になる。
ただそれだけの事が、愛してるという気持ちをあふれさせる。
うーん、困ったな。
街中だけど、☆☆ちゃんに触れたい。
「あ、ソウシさん見てください!
何かやってますよ!」
私の邪な思いに気付く事なく、☆☆ちゃんは通りの向こうに出来ている人垣を見つけて私を引っ張った。
「なんだろう?奇術かな?」
人垣の輪に加わって背伸びをして覗いてみるけれど、人が多くて何をしているかよくわからない。
時折、前の方から歓声が湧いた。
「あーん、見えない。」
「あ、道化師かな・・・うーん、
でもよく見えないね。」
ふと☆☆ちゃんを見ると、彼女も精一杯背伸びをしていた。私の腕を掴んで何か見えないかキョロキョロしていたけれど、やがて諦めて背伸びをやめた。
「せめてもう少し背があったらなぁ〜」
あ、また。
・・・・・・。
「そう?でもほら、
背が低いと、イイこともあるよ。」
「ええ?・・・思いつきません・・・」
ふふふ。
「ん?なんて?」
うつむいた☆☆ちゃんの口元に耳を傾けるように身をかがめると、☆☆ちゃんがもう一度「思い付きません・・・」とつぶやいた。
身をかがめたまま、微笑んで内緒話をするように口元に手を添えた。
「例えば・・・」
囁いてちゅっと口づけする。
「!?」
「ね?」
聞こえないフリをして身をかがめたら、人混みの中でもキスが出来るよ?
背の低い☆☆ちゃんだから出来る幸せな瞬間。
きっと他にもたくさんたくさんあるよ。
いつか☆☆ちゃんが「背が低くて良かった」って思えるように、一緒に見つけよう。
「ソウシさん・・・ッ」
「もういっかいする?」
可愛い可愛い☆☆。
キミのコンプレックスを、全部美点に変えよう。
END
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嗚呼もう何も言う事はない。
ソウシさん結婚してください。
背の低くないお嬢様にはなんの萌えもないお話で申し訳ありません。
2013-10-02 (Wed) 20:43
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