恋に落ちた海賊王:リュウガ
□境界線
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「境界線 2」
リュウガ目線で。
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「リュウガ船長!」
「・・・ぅあ?」
「起きて下さい船長ッ!」
御機嫌な笑顔で俺を叩き起こそうとする☆☆の腕を捕まえて、ベッドに引き込みながら豪快にあくびをした。
「あと10分・・・いや、5分でいい・・・」
「ちょっ、リュウガ船長ッ!」
「いて、いででで!コラ叩くな。」
ぽかぽかと胸を拳で連打されて、仕方なく体を起こす。
部屋は陽の光が差し込んで、爽やかに明るかった。
「港に着きましたよ!買い出しに行く前に朝御飯済ませてくれってナギさんが困ってます。
早く食堂に来てください。」
「・・・そうか。」
昨夜の決心が眠気を連れ去った。晴れやかな部屋の中とは対照的に、胸の中が重苦しい。
まぁ、丁度良い、ここで物資補給を済ませたらヤマトまでノンストップで向かえる。
「良い天気ですよ。船長も船から降りて、酒場にでも行きますか?」
何も知らない☆☆の笑顔が、妙に胸に刺さった。
「んー・・・いや、酒場より・・・・・・、
☆☆、何か欲しい物はねぇか?」
「え?」
「足りない物とか、必要な物とか、・・・なんかあるだろ。」
「うーーーん・・・・・・」
☆☆は本気で困ったように考え込んだ。
まったく、欲の無い娘だ。
「まぁいい、後でゆっくり散策しながら考えろ。」
「はい。」
少し怪訝な表情をしてはいたが、俺が支度を始めるとすぐにいつもの笑顔に戻って扉を開けた。
「じゃあ、食堂で待ってますね!」
「ああ。」
・・・別に、感傷的になったわけじゃない。
ただ何か買ってやりたくなっただけだ。
上着を翻すように羽織ってふと顔を上げると、☆☆の出て行った部屋が妙に寒かった。
to be continued
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2012-04-27 (Fri) 16:38
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