短編
□悪魔兄妹
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「ねぇ、父上」
「んだぁ?」
「何故あんなものの後に私を作ったんですか」
「気まぐれ?」
「はぁ・・・」
「とにかくあいつらあっちにつれ戻せよ」
美空は虚無界から兄二人を物質界につれ戻すために呼び出された
「父上がつき落とせばいいのでは?」
「そっけねぇなぁ・・・」
「・・・やる気がなさそうなので行ってあげますよ」
「それでこそ我が娘だ!」
「気持ち悪い」
目の前で優雅、というか呑気にお茶をしている兄二人に声をかける
「兄上方」
「なんでしょう?」
「なんですか美空?」
「いい加減物質界にお戻りください」
「「嫌です」☆」
「はぁ・・・」
美空はどこからか小槌を取りだすと
それは美空の手の内で巨大化した
そしてそれを振りかぶり
「駄々を捏ねない」
ガンッ!ゴンッ!
「いった!!」
「いたいです」
「せっかく美空の成長を見ようと帰ってきていると言うのに!!」
メフィストの悲痛な叫びもむなしく
美空は淡々と小槌を元に戻し、しまう
「いきますよ、兄上。あちらまでお見送り、と言うか送っていきますので」
美空が開いた扉のさきには物質界の空が見えた
かなり高い位置につながっているのだろう
「うわぁここから飛んで行くんですか?」
「勿論。そちらの方が楽しいですしね」
「人間に見られたらどうする気だ」
「すべてを殺すまで。ね、アマイモン兄さん」
「それはとても楽しそうですね・・・!!」
「はぁ・・・やめておけ」
扉の前で三人並びそんなことを口走る
そんな中美空一人が振り向いて
「それでは父上、行ってきます」
そして美空は兄二人に手をひかれ背中から落下した
扉が閉まった後サタンは珍しく深い深いため息をつく
「まったく騒がしい兄妹だ」
困ったようで楽しそうにサタンは口角をあげた
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