短編

□君を欲する
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美空はとても綺麗です





「アマイモン様」





そう言って笑う顔が僕は大好きです



でも美空は





「フェレス卿!!」





兄上の方が大好きで



僕は点で面白くありません





「美空、美空」



「はい何でしょう?」



「僕の傍から離れないでください」



「へ?」





僕は美空を抱きしめました





「ねぇ、美空お願いですから僕だけを見てください。兄上などにうつつを抜かさないでください。でないと僕は貴女を殺してしまいそうだ」





「・・・申し訳ありませんアマイモン様。私は例え貴方様に殺されようとも、フェレス卿以外に振り向くことはないでしょう」





すいません。そう言ってスルリと僕の腕から出た美空は数歩だけ走って振り向いた



美空、そんなに悲しそうな顔で笑わないでください



僕は普通に笑ってくれる貴女が好きなのだから



その後美空は走り去った





きっと





その足が向かう場所も兄上なのでしょうね
















君を欲する
















彼女のその瞳はとても綺麗で僕を映すことは決してない



彼女のその想いはとても純粋で僕には手に入れることは一生できない



僕が彼女から本当に手入れることのできるものは何一つないのでしょうね



僕が手に入れることのできる彼女は敬意の眼差しを向けた彼女だけ



でも兄上、せめて最期くらいは僕がもらってもかまいませんよね?























end

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