リボ×テニ(長編)
□出発前夜〜選抜メンバーVer.〜
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―宍戸家―
家に帰ったら母ちゃんが泣いてた。
そんな姿を見ていられず部屋に戻ると、兄貴が俺の部屋にいた。
「話は全部聞いた。行くのか?」
いつもとは違う真面目な声だった。
「あぁ。明日になりゃ嘘か本当かわかるんだ。とりあえず準備することにした。あのさ、兄貴・・・」
今1番心配してることを兄貴に言おうとしたらかぶさるように言われた。
「母ちゃんだろ?今誰が話しかけてもダメだろうな。まぁ、15年間大事に育ててきた息子と次いつ会えるかわからない別れをするんだから無理もねぇよ。最悪の場合一言も交わさずに出発になるかもな。」
俺は何も言えなかった。
今母ちゃんに話しかけても更に泣かせてしまうだけだろう。
なんだよ・・・ったく、激ダサだぜ。
兄貴はそのあとも俺と母ちゃんに気を使いながら色々やってくれた。
一人っ子じゃなくてよかったと心底思ったのは今日が初めてかもしれない。
「兄貴、ありがとな。」
「なんだよ急に。亮、今日はどうせ寝れそうもないしゆっくり話でもしようぜ。」
それから俺たちは一晩中色んな話をして朝を待った。
子供の頃の話、家族の話、氷帝の話、テニスの話・・・
岳人、ジロー、滝、若、忍足、樺地、跡部、長太郎・・・
数時間後には決まる。
仲間と別れるかどうか・・・