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□君の顔
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素直になれない俺は絶対言わないけれど。
窓際後ろから二番目。午後には柔らかい日の光が惜しみなくふりそそがれている、そんな特等席とも言える席が俺の席だった。まぁ後ろが浜野で横が速水だったりはするのだが。
「あー……ねみぃ。」
只今国語の時間。教師が何やら最前列の男子生徒を怒っているようだった。
寝るならもっと上手く寝ろ。
そんなこんなで進まない授業を聞くきにもなれずに前に教科書をたて俺は寝る体制になった。
眠い。
このまま本当に寝てしまおうかなんておもっていると窓の外から笛の音がなる。
……そういえばこの時間は一年の体育の時間だった。
ふと外をみると丁度天馬が走っている所だった。
「あ…一番……」
こんな時期に何故かはわからないけれど100メートル走のようだ。
いつも試合でも見せるような風のような走りでぶっちぎりの一位をかざっていた。