Book(aoex)
□大丈夫、大丈夫
1ページ/1ページ
コンコン…
静かに燐の部屋のドアを叩く。
さっき帰ってきた燐の様子が気になって、こうして訪問しに来たのだった。
「燐…?入っても良いかな?」
「…あっ、あぁ!」
…やっぱりなんか元気がない。
どうしたんだろう…
「ね、燐?」
真っ直ぐに燐の目を見つめる。
「なっ、なんだよ…//」
「燐さ、私に何か隠してることあるでしょ…?」
勿論、根拠なんてない。
でも、今の燐は絶対何か隠してる…
「!!…ははっ、流石はなつ、だな…」
そういうと燐は、ぽつりぽつりと話始めた。
「…今日、みんなに俺がサタンの息子だって、バレちまった…」
「!!」
「それで…俺はアイツとは…サタンとは違うって、言ったんだ…でも、信じてもらえなくて…っ」
「燐…っ!」
気づいたら私は、燐を力いっぱいに抱き締めていた。
「燐…燐…、燐は何も悪くないから…っ。燐は何一つ、悪くないの…だから…大丈夫だよ…、大丈夫だから…っ。」
「なつ…っ。」
燐は私の肩に顔を埋める。
「燐…泣いて良いんだよ…強がって泣かないほうが、よっぽど辛いでしょ…?」
そうやって燐の耳元で囁いたら、燐は何かが切れたの様に泣きだした。
でも、決して喚かなくて…
静かに、静かに、無実の涙を流していた。
燐…私がずっと側にいるよ…?
大丈夫、大丈夫
(いつかみんなが、貴方を認めてくれる時まで)
2012.08.01
なつ