俺の妹がこんなに××な訳がない

□第一章
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ピンポーン ピンポーン
ピンポーン ピンポーン
ピンポーン ピンポーン



「ねぇ、イザ兄っ!!居るんでしょ!?何で開けてくれないの!?クル姉も一緒にイザ兄呼んで!!」


「困(めいわく)」


「あーあ、せっかく遊びに来たのにさ。きっとイザ兄まだ寝てるんだよ!もうお昼なのに!」





場所は、新宿某マンション。

ある部屋の前で騒いでいるのは、その部屋の主である男―――折原臨也の実の妹、折原九瑠璃と折原舞流、そしてもう1人の少女だった。



「どーする、クル姉?」


「不(しらない)」


「あ!!じゃあ良いこと考えた!!」



そう言うとマイルは携帯を取り出し、ある人物へと電話をかけた。



「あ、もしもしイザ兄?ねぇ、さっきからずっとインターホン押してるのにさ!!...え?いないの?...うん、分かった!!あ、あとさ、イザ兄に報告が...あっ!!」


マイルはクルリの方を向くと、信じられないと言うような表情をした。



「何(どうしたの?)」



クルリが聞くと、マイルは携帯をしまいながら言った。



「また勝手に電話切られた。あ!!あのね、イザ兄今中にいないんだって!!そろそろ帰るって言ってたけど」


その時、後ろからコツコツと足音が聞こえた。


少女達が振り返ると、ファー付きの黒いコートを着た青年―――折原臨也が歩いて来た。



「お前ら、本当に来てたのか」


臨也はクルリとマイルを見るなり、心底嫌そうな顔をした。

「あ!!イザ兄!!何で電話切ったの!?」


怒るマイルは気にも止めず、臨也はクルリとマイルの後ろに居る少女に目をやる。


その少女は、クルリとマイルに比べればかなり身長が低く、パッと見2〜3歳だろうか。



俯いていたため顔はよく見えないが、肩まで伸びた綺麗な黒髪が印象的だった。



「その子、誘拐してきたの?お前らの友達...じゃないよね?」


兄とは思えぬ酷い言いようだが、クルリとマイルにしては別にいちいち気にとめる内容ではないらしい。


特に怒る様子も無く、マイルは臨也に話し始めた。



「誘拐してないし、友達でもないよ?私とクル姉の妹!!」



それを聞いた臨也は、一度自分の耳を疑った。


実の妹、クルリとマイルの妹って事は、要するに俺の妹って訳で。



臨也はクルリとマイルの後ろに居る少女をもう一度よく見た。


その時、ちょうど少女も顔を上げた。


その少女のくりくりとした大きな瞳は綺麗な赤に染まっていて、自分や妹達のそれと同じだった。



「俺の...妹?」




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