俺の妹がこんなに××な訳がない
□第二章
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「いちご、おいしーっ!!」
時は夜。
臨也と暮らすことになった未空流は、夕飯を食べ終え、波江と一緒に大好きな苺を食べていた。
といっても、波江は自分の分の苺を未空流にあげたので、見ているだけだが。
臨也はそんな未空流を横目に、パソコンをカタカタといじっていた。
「本当に苺が好きなのね」
波江が言うと、未空流は口に苺を含んだまま「うんっ!!」と幸せそうな顔で頷いた。
それを見て、波江は口元を少し緩める。
そして立ち上がり、自分の荷物を手にとる。
「あれ?波江帰るの?」
「帰るわ。なんか、この子見てたら誠二に会いたくなってきたし」
臨也はパソコンをいじる手を止め、波江へと視線を移し、困った様な顔をした。
「何よ」
「波江が帰ったら、誰が未空流を風呂に入れるのさ」
それを聞いた波江は呆れた様な表情を浮かべる。
「自分で入れなさいよ、お風呂くらい」
「俺はいくら自分の妹だからって、いや、自分の妹だからこそ、一緒には入れないな。別に幼い体に興味は無いし、そんな趣味も無いけれど...」
波江は「なら問題無いじゃない」と言って、そそくさと部屋から出て行った。
「...給料下げてやる」
臨也はそう呟くと、またパソコンをいじり始めた。
しばらくすると、未空流が臨也の方へと駆け寄った。
「なにしてるのー?」
未空流は背伸びをしてパソコンの画面を覗く。
「これはチャットって言うんだよ。まだ未空流には少し早いから、やらせてはあげられないけど。見る?」
「うんっ、みる!」
臨也は未空流を抱えて、自分の膝へと乗せると、キーボードをカタカタといじり始めた。
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