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□可愛い君が悪い
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「神童お願い!」

「嫌だ」

「なんでだよー」

「嫌なものは嫌だ…っ」



今俺は神童を説得しようと神童の肩を揺すっている。なにを頼んでいるかというと、神童の髪を結びたいという事だった。

事の発端は神童だった筈だ。
練習メニューが終わりマネージャーが神童にスポーツドリンクを渡しにきた。 神童がそれを笑顔で受けとると練習を見に来ていた女子が騒ぐ。


『神童君が汗かくとドキドキするー!』

『笑顔が可愛いっ!』

『あの上品な仕草も好き』

とか黄色い声がきゃあきゃあと上がった。


俺はそれを遮るように神童に声をかけに行った。
すると神童は髪を一纏めにし持ち上げて、パタパタと首を仰いでいた。
ちらりと見える首筋にドキドキしてしまう。
そこで思いついた。
神童のツインテールはどんなに可愛いだろうと。





「神童…もしかして俺とお揃いが嫌なのか?」

しゅん…と眉を下げながら聞いてやると、う…と声を詰まらせた。

「違うっそういう事じゃなくて…」

あわあわと俺を傷つけまいと必至に弁解する神童は本当に良い子だと思う。


「霧野と、お揃いは、嬉しいよ…」

「じゃあ決まりだな!」

笑顔でそう言うと嵌められた!と騒ぎながらも
黙って俺に髪を結ばせていた。
神童の髪からはほんのりと良い香りがした。シャンプーの香りだろうか。
ミルクブラウンの髪がふわふわと俺の手を擽るのが癖になりそうで暫く手で梳いていた。



「神童の髪はふわふわで気持ち良いな」

「霧野の髪だってさらさらで良いじゃないか」



神童とたわいの無い話をしているうちに結び終わった。出来たぞ、と神童に声を掛け正面から覗いた。



「!!」

「霧野…?」

「か、可愛い…!」



下手したらいや下手しなくてもそこら辺の女子よりずば抜けて可愛らしい。
神童はもとから目が大きくて肌もすべすべしていて、小さい頃は俺と一緒に『可愛い姉妹だね』と言われる事も多かった。


パシャ!

「!?…な、」


余りにも可愛いので写真を取った。
神童がポカンとしている。
「……っき」

――あ、ヤバい。
泣きそう。



「霧野ーーーッ!!!!」





end.

神童のツインテールは絶対可愛いと思います…!

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