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□無垢な君への災難
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「お邪魔します」


神童は今俺の家に来ていた。
普段放課後は神童の家に寄らせてもらうのだが、今日は神童が好きな映画のDVDが手に入ったので家へ呼んだ。

神童は礼儀正しく靴を揃えると、きょろきょろと周りを見渡す。


「DVD見ようぜ」


そういうと神童は嬉しそうに頷いた。

ふんわりと甘い砂糖菓子のように笑う神童はマネージャーではないが、写真をとりたくなる位だ。

神童の事を頭一杯に考えながらリモコンのスイッチを押す。

わくわくと目を輝かせていた神童がいきなりその顔のまま固まった。

何があったのかと思い、テレビに視線を移した。


「―――は?」



…そこには画面一杯に胸の大きい女の人と男の人が全裸になって絡み合うシーンが映されていた。


何が起きたのか理解出来ない。

「(待てよ、俺はこんなの借りた覚えはない。俺はただ狩屋から――…)」


ふと今日の狩屋を思い出す。いきなり朝に「霧野センパーイ」と気味悪く手を降ってきて、神童の見たがっていたDVDがあるから貸すと言ってきた。

おかしくはないか。


いつもはやたらと俺に引っ掛かってきて喧嘩ばかりしていた筈なのに。

そういえば「キャプテンと宜しくヤって下さいね!」とか言ってたような気もする。



…つまり俺は狩屋に騙されたのだ。




心の中で狩屋ぁあぁあ!と叫びたい気持ちも我慢し、今はこの状況をどうにかせねばならないと慌てて神童を見る。


神童は顔を林檎のように真っ赤にして、震えていた。


「し、神童?これは、違うんだ。狩屋に騙されて…」


そういうと神童は俯いていた顔を無理矢理こちらに向かせた。


「だ、だだ大丈夫だ!男だもんな、この位見る…?よな!うん!」


何を納得したのか分からないが神童は必死に俺を慰めようとしていた。


「本当に違うんだって神童!!!!」


只ですらそういったの方面に疎い純粋無垢な神童にはこんなの刺激が強すぎるだろう。


慌ててながらも画面を消そうとするが画面からAV女優の大袈裟な喘ぎ声が聞こえてくる。


やはり、そこは俺も健全な男子生徒であるわけでこんな状況にも関わらず下半身に熱が生まれるのを感じた。


どうしよう…と思いながら神童の方を向くと神童も気まずそうにもじもじと太股を擦り合わせていた。



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