メイン2(イナgo

□やっと幸せの意味を知る
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いつだって俺の隣に居てくれて甘やかしてくれる、そんなのは要らなくってひょっこり隣に来たかと思うと意地悪を言いながらも優しくしてくれる人。
それが霧野先輩だと分かるのに時間は掛からなかった。


「狩屋っ、ストレッチやろうぜ」

相変わらずの女顔、いや綺麗と言っとかないと怒鳴られるか。その顔付きの先輩が声を掛けてくる。
心が弾んだのを押さえ込む様にえー先輩ですかあ、と文句を言ってみたり。


「何か文句あるか、この生意気野郎」
「いって!止めろよピンク頭!」


ゴリゴリと頭に拳を擦り付けられ仕返しにツインテールの髪を力任せに引っ張ってやる。さらさらと手から零れ落ちてゆく髪に目を引かれていると先輩が意地悪く笑う。


「お前さ、ホンッと俺の髪好きだよな」
「はぁ…!?何言ってんすか、ないないない!」


自信有りげに鼻を鳴らしながらそう言うので全力で否定すると先輩が耳に唇を寄せる。


「…エッチした後いっつも触る癖に」
「!〜〜〜〜ッ…!!」


俺が顔を真っ赤に染めて自分より少し背の高い先輩を見上げると言ってやったりといった表情で満足そうにする先輩にカチン、とくる。


「せ、先輩だって俺の頬っぺた触るじゃないですか!」
「んー?だってぷにぷにして小っちゃい子みたいなんだもん」


先輩に口で争うのは無理かも知れないと思った。
むぅ…と頬を膨らませてそっぽを向くと指で頬をつつかれる。



「なんですか!」
「頬っぺただけじゃなくて狩屋の全部、好きだよ」


とんでもない事をさらりと言って退けて額にキスをされる。


「お前もそうだろ?」
「ば、馬鹿じゃないですか!女顔の癖に!」


いつもの如くぎゃいぎゃいと喧嘩が始まる。
でも先輩とする喧嘩は嫌いじゃなかったりする。



「(そんなの言ってやらないけどね!)」




end.

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