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□くらりと目眩がした
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「んぁあ…!ひぅ、っぁあ!く、ぅんッ…」

「んぅ、…はぁっ、あ…」

ギシギシと病院のベッドの足が音をたてる。
白を基調とした清潔感溢れた病室でとある2人の兄弟が体を交わせていた。


「あァア、…ぁ、んん!兄、さッ……気、持ち?」

「うぁ…!はぁっ、気持ちいいよ、京介…」


京介は諸事中にいつも俺に「気持ちいい?」とか「足痛くない?」とか喘ぎ声を我慢してきいてくる。

自分はもう快楽の中へと堕ちて行ってるのに健気に俺の事を気にかけてくれる京介を見るたび、なんだか複雑な想いになる。

京介を縛りつけているのは俺なのに。

それなのに―顔を赤らめ、息を乱し、普段からは想像も出来ない色っぽい声をあげる京介を見るたびに心の何処かがジクジクと痛む。


京介が幸せになるためには俺が居てはいけないと思う反面、京介は俺だけのものだと思ってしまう。


こんな馬鹿みたいな心の矛盾が京介を見えない鎖で縛りつけてるというのに。


ポロ、と涙が零れ落ちた。
すると京介がびっくりして動きを止めた。


「…ど、どうしたの!?!?もしかして足痛かった!?」


始めは一粒だった涙もせきをきったようにボロボロと流れだしてくる。


「…俺は兄失格だな…、弟の幸せを一番に願わなきゃいけない筈なのに…ッう、それどころか、縛り付けて…!」


「――ッ違う!!」

さっきまで黙っていた京介がいきなり大声をあげた。

「兄さんは分かってない…!!俺の幸せは、兄さんと一緒にいることだ!!縛り付けてるとか、そんなの関係ない!!俺はっ俺の意思でこうしてるんだ…!!」



――そう訴えた京介の目はこれまでに見たことのないくらいに強い意思を灯していた。


ああ、俺は京介に甘えてもいいのだろうか



「京介は…、強くなったな」


自分が考えていたよりずっと強くなっていた。

すると京介は笑った。

昔一緒にサッカーをやっていた時のような、無邪気な笑みだった。


心がほわり、と暖かいベールで包まれるような気がした。





『くらりと目眩がした』



(君はまた昔のように笑ってくれたね)





end.

ずっと書きたかった優京です…!!この2人ヤバいでしょ(//∀//)
ホモ百合みたいな!w
かわいいよぅぅぅ
 

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