LONG

□幼なじみ
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つまらない話に耳を傾けながら窓を見つめた


「飛行機」そう聞こえて隣の奴を見れば作られたようなニコニコの笑顔で私を見ていた



「なに、いきなり」

私を見ていたコイツは幼なじみのヤン・ヨソプ。見事に小さい頃からずっと一緒なわけで。お互い自分の部屋の窓を開ければ相手の部屋に簡単に入れてしまう






ヨソプ「名無し顔怖い」

正直こいつはストーカー並に私に付きまとう。
高校生にもなったら男女一緒にいるのはほぼカップルなはず。
私はそんな風に思われるのが嫌でヨソプと距離をとったのに
高校生デビュー初日でそれは破られた

ヨソプがいつも一緒なせいで私に友達といえるものは少ない



ちょっと昔の事を考えながら私はまた空を見上げた





ヨソプ「お、飛行機雲」



ヨソプがそう言ったのとほぼ同時につまらない話とつまらない授業は終わりを告げた






休み時間には隣の奴が私の机のすぐ近くまで自分の机をもってくる





ヨソプ「購買いく?」



「いく〜」



昼に行くと購買は恐ろしいほど混んでいるわけで。
私とヨソプはよく授業が終わった空いている休み時間にいく






ヨソプに手首を持たれノロノロと歩いていれば、


ギグァン「ヨソプ〜」


「あ、ギグ」

ヨソプ「今から購買行くから後でねー」



ギグァンの方すら見ないヨソプ。「えーっ」とか言っているギグァンが可哀想で私は立ち止まる


いきなり止まったらヨソプはこっちをみて「どうしたの?」なんて。





「ギグ可哀想だよ」


目を見ればヨソプはわかったなんて言って私の手首を掴んだままギグァンの元へ





「いいよ、私は」

ヨソプ「いいからっ」


「焼きそばパン」


ヨソプ「奢る奢る」

「じゃあ行く」




ヨソプはまたニコニコした作られたような笑顔を私に向けてから、ギグァンの元へ



ギグァン「無視するなんてひどいよー」

ヨソプ「だってギグァン用事ないじゃん」


ギグァン「あるよー、
名無しちゃん、今日は委員会らしいよ、」


「あれ、ギグって私と委員会一緒だっけ」


ギグァン「ううん、なんか後輩の子が伝えてくださいって」


後輩なんて正直誰1人知らない。

そんな事を考えていればギグがヨソプに何か言っている。
まぁ聞こえないんだけどね。




ヨソプ「もう用事はない?」

あきらかに不機嫌そうなヨソプ、この短時間に何があったんだ






ギグァン「もー、そんなに睨まないでよー」

ヨソプ「睨んでないよ」



「ま、いいから。
ギグばいばい。ヨソプ行こ」




ギグァンに手を振ってヨソプに掴まれたままの手首を引っ張る




「何不機嫌なのよ」


ヨソプ「なんも」


「幼なじみにも話せないんだ。もう幼なじみ失格だね私ら」




ヨソプ「─────……ょ…」



「なに?」



ヨソプの声はうるさい周りに掻き消された



ヨソプ「なんでもない、早く購買いこ!」



いきなり元気になったヨソプに腕を引かれ、階段を降りた。




幼なじみ
私達は付き合ってなどいない。


ドゥ(お、夫婦)

(なにそれ)

ドゥ(知らないのか?皆に言われてるぞ
ミニマム夫婦って)

ヨソプ(ミニマム…)


(だ、大丈夫だよ!ヨソプはちっちゃくないよっ)



ドゥ(あ、夫婦は否定しないんだ)


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