LONG

□振り向いて
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「ねぇ、ヨソプ!」

掴まれたままの手首を振りほどいて立ち止まれば君もこっちをみた

今日は今までにないくらい大声を出す1日だ



ヨソプ「…なに」



さっきの事でヨソプが怒っているのは分かる、ただ何で怒ってるのかとか色々説明してほしい


「なんで…怒ってるのよ」




小さく呟けばヨソプは私の目をじっと見つめた



ヨソプ「…名無しは僕が他の女の子と付き合ってもいいわけ?」


「……は?意味わかんな…」


ヨソプ「…言葉で言わなきゃわかんないんだ」





ヨソプは私の顎をクイッとあげ、目線をしっかり合わせた






















ヨソプ「好きなんだよ名無しが。気づいてなかったの?」




いつもにないヨソプに戸惑って息がうまくできない


お願い
いつもの笑顔のヨソプに戻って。私の幼なじみの大好きなヨソプに戻って…



思わず涙が出そうになる
ぐっと堪えて目を細めた
もちろんヨソプは見逃してるわけがなくて




ヨソプ「泣く時の癖」



そう言って私の溢れそうな涙をぐいっと拭った



ヨソプ「名無しは狡いよ…」



いつものヨソプの笑顔のはずなのに、何か悲しい
こんな顔にさせてるのは私。最低だ



「ごめっ…ヨソプ…ごめ…っ」


言葉にならない言葉をとにかく喉から出し、ヨソプに伝える



ヨソプ「ギグァンもね、名無しが好きなんだって。今日言われた」


だから今日ギグァンと話した後、ヨソプは不機嫌だったの?


ヨソプ「あの先輩だって絶対名無しが好きだよ」


「ヨソ…プ」



ヨソプ「もちろん僕も名無しが好き」



ぐいっと顔を近づけてくる
反射的に私は顔を背けた。ヨソプは幼なじみ。私にとってはただの幼なじみ…




ヨソプ「………」


「私たち、幼なじみ…だし…」


ヨソプ「そんなの思ってるの…名無しだけだよ」

「え…」



ヨソプ「名無しを好きになった時点で僕は名無しを幼なじみだなんて思ってない」





「ヨソ…プ…」




今日話した飛行機雲の話をしてる時も、お互いの部屋の窓開けて笑ってるときもヨソプは私を幼なじみだなんて思っていなかった









ヨソプ「ずっと…大好きなんだよ」



泣きそうな顔で私をみる



ヨソプ「もう幼なじみなんて嫌だ…。
無理して付き合ってなんて言わない。ただ…



もう名無しとの幼なじみは止める

僕だけが苦しい思いをしてて、バカみたい



…ばいばい」







一人で歩いていくヨソプの後ろ姿に涙がでる。



いつもみたいな笑顔で「泣くなよ〜(笑)」って涙を拭ってよ


いつもみたいに手首を掴んでよ


優しい笑顔で名前を呼んでよ

私を置いて大人にならないでよ






…お願いだから、
振り向いて
全部嘘だよって言って…ヨソプ…




to be continue



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