X'mas

□YS
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「寒い!」


学校が終わって友達がぞろぞろと出ていく中、
寒さに耐えきれなくなった私は再び学校へと入った




「この寒さおかしい!」

1人で叫んでいるもんだから色んな人が私を見ていた



だって寒いんだからしょうがないでしょっ



皆は彼氏やら彼女とラブラブ手を繋ぎながらまるで私に見せつけるかのように帰っていく



「はぁ…頑張って帰ろ…」



マフラーを巻き直し、少し積もった雪を踏みながら帰る








ヨソプ「名無し〜っ」



後ろから名前を呼ばれて、振り返れば幼なじみのヨソプ





「あぁ、なに」


ヨソプ「名無しってば冷たいねー」



隣まで走ってきて、鼻や頬を赤くしながら私を見てくる




「で、なに?」


ヨソプ「いやー、名無しがこのカップルとかが沢山帰ってる中、1人で寂しく帰ってるからなんか可哀想で」



「寂しくないですけど」




ヨソプはケラケラ笑いながら私の肩を叩いた




「逆にソピが彼氏って思われるよりは寂しい奴って思われる方がいいわ」




ヨソプはムッとした顔をしてから、つまらない!!と呟いた




「…寒い」



不貞腐れるヨソプを無視して空を見上げれば
冷たい雪が瞼と鼻先についた



「ひー…寒い
本当寒い…」



マフラーに顔を埋めてポケットに手を突っ込んで歩く


待ってよ〜なんていいながら私の後ろを走って着いてくるヨソプ



ヨソプ「もー…」


置いてくなんてヒドイだなんだかんだとぐちぐち言っているヨソプ





「ごめんって」

小さく笑ってからヨソプに適当に謝れば単純なヨソプはヘラヘラて嬉しそうに笑う




「ヨソプは単純だなぁ」

ヨソプ「ん?名無しにだけね」


「嘘つき〜」

ヨソプ「本当ですー、名無しがすること、ぜーんぶ許せるよ」




隣でニコニコするヨソプを見ながら


「何しても?」


疑いの目で聞けば首がとれそうなくらい首を縦にふる





「ヨソプの昼御飯食べても?」

ヨソプ「許せるよ」



「雪玉あてても?」

ヨソプ「許せるよ〜」


「嘘ついても?」

ヨソプ「許せるよ」






「じゃあヨソプのケータイを勝手に見ても?」





ヨソプは目を見開きながら固まる


「あ、許せないんだ」


やっぱりねと呟いてまた歩き始めれば焦ったように許せるよ!!なんていうからヨソプに手を出す



「ん」


ヨソプ「へ?」


「ケータイ」


ヨソプ「見るの!?」


「許せるんでしょ」




ヨソプは目を泳がせながらケータイを差し出してくる




















「わぉ」


ヨソプ「見られたくなかったー!///」



「…つかいつ撮ったのよ恥ずかしいのはこっち」






ヨソプの待ち受けが私。
まぁ、ヨソプの気持ちには気付いてはいたけど…




「ヨソプ」



ヨソプにケータイを返す
もう、いいの?と言うような顔をしながら私をみる







「何しても許せるんだよね」




小さく呟くとヨソプは、また首がとれそうなくらいに頷く






少し背伸びしてヨソプの頭を腕で引き寄せる










チュ







触れるだけのキスをすれば放心状態のヨソプ





ヨソプ「なっ//名無し!//」



「許すって言ったじゃん」



ヨソプ「あー、もう恥ずかしい!!
付き合ってないのにキスとかおかしいよ〜//」




とか言いながらも満更じゃない様子




「付き合えばいいじゃん」




頭を抱えていたヨソプは顔をあげてまた放心状態







そんなヨソプに小さく笑ってからまたキスをした








END



(ちょっとヨソプ早く歩いてよ〜)


ヨソプ(僕は名無しの彼氏//名無しの彼氏…//)


(お前は乙女か)




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