ライチ 短編
□変な奴がいた
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あぁ…そういえば、昔こんな奴がいた。
毎日毎日、学ランを着て光クラブに来ていた女。
バレてないと思ってるのか、一人称を俺とか言っていた
女は通常、唐突に行動するのが当たり前だった
そして僕は今、女が存在していた時の記憶を甦らせていた
「ゼラ、伺いたい事が何点かあります」
「質問をよしとしよう」
「ありがとうございます。先ずは一つ目。物事に白黒に分けるのは、必要なんでしょうか?」
「つまり、君は僕の行いに不満があるのかな?」
「いえ、そうではありません。しかし、美少女捕獲作戦において疑問に思ったのです」
「ふむ、どういう事かな?」
「ゼラの求めた美少女とは外見のことですよね?」
「いや、心身共に美しい少女だ」
「そこで、二つ目の質問です。認められたいと努力し、心身ともに美しくなった人は、滑稽で無意味ですか?」
「心は別として、外見は偽りということではないか?それは許されない」
「外見や身体能力、そして心は人によって異なります。欲しいものを掴むため、手を伸ばすことさえも卑怯で醜いですか?今のは、三つ目です」
他のメンバーを前に、質問を僕のゼラに押し付ける女。
とても、憎たらしい。
それにしても、彼女は何が言いたいのだろうか。
「人は欲求があるからこそ、精進することができる。だから、醜いが卑怯とは言えないな」
「では、クラブのルール違反にはなりますが、愛とは馬鹿げていますか?もし、ゼラが愛を注がれる立場になった時、馬鹿げたものだと言えますか?」
つまり、この女は僕のゼラを狙っている。
醜い女が、僕のゼラを奪おうとしている。
ウザい、ウザい。
「愛なんて、人の想像物でしかない。また、愛の意味とは、子孫繁栄にあたって相性が良いということを綺麗事に書き換えただけだ。しかし、君が僕に注いでくれるなら、考えないこともない」
「…お世辞は結構です」
「他に質問はあるかね?」
「…いえ。ありがとうございます」
なんて醜い女なんだ。
今日、僕は彼女を消すことにした。
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