ライチ 短編

□あぁ、虚しい
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ピッピッピ…






「起きなよ、ダフ」








ピッピッピ…




「…っ…」










声を掛けても、ダフは動かない。

聞こえるのは、身体だけは生きているという心電図の音だけ














「前みたいに、えろい顔して笑ってよ」









ピッピッピ…










「ねぇ、ダフ…」










ピッピッピ…









「…ダフ」














金田は、完全に亡くなったという亡骸があった。
田宮は、秘密基地で死んでいた。

ダフは質が悪い。
身体は生きていて、脳は死んでるなんてね。


いつか、いつかきっと、ダフが目を覚ますんじゃないかと期待してしまう。







そのせいで、新しいボーイフレンドが作れない


そのせいで、私は壊れることができない。




君が生きているから、
君がまた目を覚ますだろうから、



君は死んでないと否定して、泣き叫べない。


なんたって、君は生きている。

吹っ切れない。












「放置プレイかな?ダフ」











ピッピッピ…









「ダフっていい臭いするよね」










ピッピッピ…












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