男日 短編

□何故泣くの? モトハル
1ページ/3ページ







「あのエンディングの後にこの夕焼けの景色!!
やってよかったなぁ"っ…グスッ…うんうん」



そうなのだ!!
私は今、猛烈に感動しているのだ!!


いやぁ、この間買ったばかりのゲームを寝ずに
五日間やってよかったのぉ




ゲームのエンディングは、主人公達が手を繋ぎ合って、
幸せを噛み締めながら眠るように逝く


その場面は言葉に表せないくらい、美しいものだった…




あ、思い出したら涙がぽろぽろ出てきたわ






「グスッ…うぇっ…おーいおいおいおい…」


ハンカチなんて鼻水でネチャネチャしてきたZE☆




カツ…カツ…



むっ!!私以外の気配が背後に





「ねぇーちゃん達のバカヤロー…グスッグスッ」



おや、私の他にも涙を流しながら

この夕陽を見に来る奴がいたのか



…つか、知り合いの声じゃね?







後ろをバッと振り返って私は唖然とした



「………モト、ハ、ル?」




中学卒業以来、たまにしか会わなくなった幼なじみ


と、言っても近所だが会おうと思えば会えるが




そんな彼に、ヨウ!!的な感じで私は挨拶するはずが、

コレばかりはは無理だ

何故ならば、彼の顎は真っ赤に染まっていた







「モトハル、モトハルや、これはいったい何事じゃ!!」

「……殿っ!!…姉ちゃんが敵軍の友人を城に招き入れたため、敵襲に合いました。」



そして、モトハルは私の元に来てひざまついた

いや、ひざまづくまではいいが…


鼻水流しっぱなしで、顔を上げないでくれ!!
気持ち悪いわっ!!



「では、その顎は勲章であるか?」

「いえ、敗北の証であります」

「もしやソチは何も抵抗しなかったのか!!」




私が大きな声をだして言ったせいか、

モトハルはうつ向いてしまった




ヤバイなぁ…やっちまったか?



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ