男日 短編

□人生山あり、谷あり、溝あり 唐沢
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ミ゛ーンミンミンミンミンミー…






静かな一室の空間に夏の音が流れ

音が途絶えたのを合図かのように、笑顔で少女は口を開いた




「こ、こんにちは?」

「こんにちは」



少女の挨拶からの少年の無表情で深々とお辞儀をする挨拶で、再び沈黙に戻る…



が、



「で、では自己紹介から致しましょうか。」

「そうしますか」

「私からしますね。私は、ドナルド ランランルーです」

「俺は、唐沢としゆきです」

「呼び方はどう致しましょうか?あ、私は苗字でも名前でもどちらでもいいですよ」

「俺も同じく、どちらでもいいです」

「じゃあ私は、としゆきさんと呼ばせていただきますね」

「俺は苗字で呼ばせていただきます」

「私だけ下の名前で呼ぶとなると、はしたないでしょうか?」

「ええ。ですが、どちらでもいいと言ったのは俺ですからね」




少女の笑顔はいつの間にかひきつり、苦笑いと化した

少女の口元から笑みが消えるのは、間もなくで

それと同時に、青年の右頬にくっきり手形ができるだろう






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