ライチ 短編

□あぁ、今なら死ねる
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「本当に今日は何の日?あのゼラ大好き忠犬ニコ公が、真っ直ぐ基地に行かないとか変」

「思い、出せない…か?」

「あぁ、もしかして、さ」

「……なんだ」

「成敏…の誕生日?」







違う、全く違うっっ!!!
しかし、なんだコノ可愛い生き物
俺を少し見上げるようにして、脅えるようなこの表情。
彼女なりに考えた結果、彼氏の誕生日を忘れ、俺を傷付けたとでも感じたのだろう。
それだけでなく、俺の下の名前で呼ぶとか…俺の心臓を爆破させる気か!!


仕方がない、答えを出してやるか






「今日は、俺達が付き合い始めてから調度3ヶ月経った日だ」

「…………は?」

「だから、俺達が「さすが、忠犬ニコ公」

「なんだと?マック」

「あんたは、初めて歩いてから何ヵ月経ったとか記録してんの?」

「そんなもの、記録するか?普通」

「じゃあ、私達が出会った日はいつ?」






………日にちは、明確に覚えていない。が、その日がどんな日だったかは覚えている




「ハイ、回想録に入らなくていいから。日にちは普通、覚えて無いでしょうが」

「まぁ、な」

「だいたい、数字なんて実在しないの。実体を数えるための、人が造り出した言葉。」

「………」

「楽譜だって、音なんだから文字に出来ないの。まさに暗号。だから、私は演奏をするのが嫌い」


「…聴くのは好きなのか」

「うん、聴く側〜」

「っ…!!マック…」

「にへへ、ニコの音を聴くのが好き。もちろん、ニコが大好きだから…だよ」

「マックっ…好きだ!!」




俺の胸に飛び込み、ギュッと抱き着くマック。
しかも、本来禁じられている愛の言葉に胸を撃たれた俺。


ゼラには悪いですが、
愛は世界を救うと思います。
ゼラ、すみません!!



しかし、しかし…っっ!!!!











あぁ、今なら死ねる









彼女が可愛い過ぎて、
今にも萌え死ぬことができそうなんです。






end
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