ライチ 短編
□あぁ、虚しい
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私は、ダフに覆い被さって抱き締めてみた。
ダフが生きてると感じたかった。
だけど、
そこには、ダフが抱き締め返してくれた時の温もりが無くて、
生暖かな温もりだけを感じただけで、
喉から心臓が飛び出そうなくらい、
喉が詰まる感覚に陥った。
「(マックちゃん)」
そして、たまに聞こえるダフが私を呼ぶ声。
つまりは、幻聴が暖かく私を包むから、
胸がさらにキュウッと詰まって痛んだ。
あぁ、虚しい
泣きたいのに、泣けない。
だって君は今、此所で、
息をしている。生きている。
end