非公開兎物語
□魔性の酒瓶
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「おい、今日一杯やってかねぇか?」
「わりぃ、今日は無理だわー」
「最近つれねぇな」
「疲れてんだよ」
最近虎徹を酒に誘うといつもこれだ。
一人で飲むのも楽しいが、飽きてきたというのも事実。
ぼんやりしていると、隣から熱い視線を感じた。
「どうした、折紙」
「せ、拙者が、酌をするでござる!」
何だか、まだ小さい息子が慣れないながらもお父さんに酌をしてくれるような感覚で、微笑ましい。決してここにやましい関係はない。例え、例え俺がコイツを好きでもそれは変わらない。
「アントニオ殿はお酒、強いでござるか?」
「まぁ…人並みだろうな。ん…ッぷはー、やっぱり誰かと飲む酒はうめぇよ!」
「あ、味が変わるのでござるか!?拙者も、拙者も飲む!」
「ぶはっ。そうだな、一杯な?」
そう言って俺は一杯、小さな杯一杯分の酒を折紙に与えた。