捧げ物
□優様へ
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……最近悩みがあります。
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麗『妊娠なさってますね。おめでとうございます』
最近気持ち悪いのが続く…、と麗二先生に言うと、あっさり彼はそう言ったのだ。
すると一緒について来ていた華鬼は驚いた顔をしたが、喜んでくれた。
鬼の子は上の鬼ほど子をなしにくい。
そのせいか……
華「カナン!また1人で出かけただろう。あれほど1人はダメだと言ったのに…」
「だって麗二先生のお部屋に診断に行っただけだよ?家の中じゃん」
……この有様だ。
過保護が更なる過保護に成長してしまったのだ。
そのせいか、妊娠中のせいかイライラが募るばかり…。
だが本人にはそんな気はなく、ただ心配しているのはわかっている。
だけどだけど!!
イライラするものはするの!
カナンははぁ、と思いため息をついた後、
「ちょっと出かけてくる。華鬼は部屋に居てよね」
華「カナン?お、おい!」
後ろから焦る声を出して呼び止める華鬼を無視して部屋を後にした……。