捧げ物
□るい様へ
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男が建ててくれた折りたたみしきのテントの中でカナンともえぎは着替える。
もえぎは大人らしいゆったりとした水着。
…対するカナンは白のビキニに右胸に紫色の蝶がある年相応の水着を着ていた。
も「まぁ、お似合いですよ。流石水羽さん」
「あ、あいつ〜〜っ!////」
…そう、もうお分かりだとは思うがこの水着はカナンが選んだのではない。
水羽が選んだのだ。
これ着てね、と渡された袋の中をチェックしなかった自分がいけなかった……。
(でもサイズピッタリ…)
も「はい、日焼け止めです。くまなく塗って下さいね」
「あ、はい」
もえぎは既に塗り終えたらしく、水の上にラフなTシャツを着ている。
(…届かない…)
髪を上でポニーテール(横)で縛り上げた後、日焼け止めに入る。
…だが前は塗れたのだが、後ろが……。
「もえぎさん、すみませんが塗ってもらえますか?」
も「あらあら。…そうですね、私は忙しいので……水羽さーん」
「あぁ、どう……って水羽!?ちょ…もえぎさん!!?」
なんともえぎが塗ってくれるのではなく、テントの入り口を開けて水羽を呼んだのだ。
彼はスグに駆け寄ってくる。
水「呼んだ?」
も「はい。カナンさん、後ろが塗れないそうなので代わりに水羽さんが塗っていただけますか?」
それでは、と言って立ち去るもえぎ。
忙しいんじゃないのー!!?
「えっ…と…」
水「…っ…似合い過ぎ!かわいいよカナン」
「ひゃっ!////」
後ろからイキナリ抱きつかれて変な声が。
…恥ずかし!////
「み、水羽…////」
水「ん、分かってる。ホントはいつまでもこうしてたいんだけど…」
かして、日焼け止めと言われたのでカナンは彼に渡す。
……意外にも何もせず、普通に完璧に塗ってくれた。
水「行こっか。僕の側から離れないでね」
「うんっ!」