捧げ物
□優様へ
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「え?血?」
「そぅ。人によって香りが違うんでしょ?」
膝枕をねだってきた水羽。可愛くてついOKしてしまう。
彼は見上げながらうーん、と言った。
「そうだね。人それぞれ香りは違う。カナンの場合はー…甘い香りがする。いい匂いだよ…」
「…へーぇ…」
そう言い、水羽は目を閉じた。
やがて静かな空間の中にはテレビの声と水羽の寝息しか聞こえなくなる。
…可愛いなぁ…。
整った顔はかっこいいというより可愛らしい。だが、体型はやっぱり立派な男子だ。
…見た目も中身も男らしいといったらやっぱり……。
「木籐華鬼…」
現鬼頭だ。
クラスの子が鬼頭の花嫁は羨ましいとかなんとかいってたけど私はそうは思わない。
私には水羽がいる。
水羽……。
「大好き……////」