捧げ物
□刹那様へ
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いきなり何を聞くんだこの小娘…。
才蔵との間にあいがあるかって…?
「…そんなこと聞いてどうするの?」
伊「え?だって才蔵と許嫁で恋人なんでしょう?なのになんか…傍から見たら仲のいいお友達みたいだし」
(あ、一応覚えてたんだ…)
カナンは心のどこかでほっとしながら伊佐那海の言葉を頭の中で反芻させる。
傍から見たら仲のいいお友達?
愛はあるの…??
そのくらいあるっての!!
「…あるわよ。ただ人前だと彼が嫌がるから。それに私たち公私混合しない主義だし」
嫌味ったらしく大きな声で言えば、彼女の顔に影がさす。
ふっ…←
伊「そっか…やっぱり隙間なんてないんだ…」
ぼそっと呟いた伊佐波海。
忍びだからばっちり聞こえてるんだけどここは聞こえないふり…。
やっと諦めたのかと安心しながらしばし待つとすぐに話題の元、才蔵がやってくる。
「おそかったじゃない」
才「わりぃ。んじゃ行くか」
+++
真田城を出て3人でぞろぞろと歩く。
…正確に云うと伊佐那海がはしゃいで先に行っちゃうからほぼ2人きりなんだけどね。
「空が青いねぇ〜」
才「あぁ。……なぁカナン、お前さ…」
「ん?何?」
才「その…お前は「さいぞー!カナン!早く早くー!!」
才「「………。」」
どこまでも邪魔をする小娘め…。