捧げ物
□yuu様へ
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side 半蔵
カナンが泣いている…。
あァ…悲しませているのは私ですね……。
半蔵は最後の力を振り絞って彼女の方に顔を向けて言葉を発する。
半「酷い顔になっていますよ…」
「だって…グスッ…」
ワザと安心させるようにフッと笑えば更に泣き出すカナン。
分かっていますよ。
君が泣き虫だってことぐらい…。
半「……できればこの指で涙をぬぐってあげたかったかった……」
「…!はん、ぞ…?」
半「君と幸せに暮らしたかった…。だけど私はもうダメみたいですから……」
「いや…いやァ!!!!!!!!」
…カナンの悲痛な叫び声があがる。
すみませんカナン…。
幸せにしてあげられなくて…。
これから先、一緒にいることができなくて…。
半「貴女はまだ生きられる。だからまたいつか一生を共にしたいという男が現れるでしょう」
だから…その時は……。
(せめて貴女だけは……)
半「その時は私の事をわすれ…「ふざけんな…!!!!」…!」