捧げ物
□yuu様へ
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半「最後に…これを」
「……!簪…」
そっと胸から出されたのは1つの簪…。
…男が女に簪を贈る。
……それは求婚の証…。
彼から贈られたのは派手すぎず地味すぎない彼女の好みのタイプのもの。
カナンは震える手でそっとそれを受け取った…。
半「よかった…。本来ならもっといい感じに渡す予定でしたが…すみません」
「…っ…、ううん…。ありがとう……っ」
再び溢れ出す涙の洪水。
……ねぇ、知ってる?
これを止めるのも出させるのも貴方次第だってこと…。
カナンはその簪をギュッと壊れない程度に強く握りしめた……。
真「……もうよい。やめよ」
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