捧げ物
□美桜様へ
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side 水羽?
ガチャっ!!!
勢いよくドアを開けるなり、アキは近づいて来て僕の肩を鷲掴みにした。
…それはそれはゾッとするほど満面の笑みを浮かべて……。
ア「なにしてるの?水羽」
……カナンが寝てるのに気遣ってか、それとも怒っているせいなのか彼の声のトーンは低い…。
(おっそろしー…)
だがそこでボロを出しては全てが台無しだ。
水羽は顔にアキに負けないほどの笑みを浮かべ言い放つ。
水「あ、アキいらっしゃい」
麗「アキさんもお茶いかがですか?」
ア「……いや、いいよ。それよりカナンどうしたの?具合でも悪くなった?」
水「ううん。…アキに嫌気が刺したって言ってたから僕が代わりを務めて…「はァ?」
…そこまで言うとアキの態度が急変した。
瞳は黄金色に染まり、口調は今までないほど荒々しくなって、身体からは殺気をあふれさせていた。
(うわ……)
そ、そこまで怒らなくても…。
ア「その子から離れろ」
水「…そういうワケにはいかないよ。カナンが望んだんだから」
ア「……カナンが?」
水「アキの過保護さに嫌気が刺したんだって。…アキ気づいてた?この頃カナンがイライラしてたの」
ア「…え……?」
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