捧げ物
□美桜様へ
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カナンが最近イライラしていたのは何となく気づいていた。
だけどそれは妊娠のせいだと…。
(だから…っ)
だからその分カナンを気遣って優しくしていたつもりだった。
…けど……それが仇となっていただなんて……。
アキは一旦落ち着きを取り戻して、その黄金色の瞳をしまった…。
ア「………そう…」
…未来栄光たった1人の花嫁。
それが自分の子を宿して、これから幸せになろうという時に気を抜いた。
……それは自分のせい……。
自分が気を抜いたから彼女は…。
ア「…カナンは…」
水「……?」
ア「…カナンは僕を手放した…。だから…」
…そっと、彼らが座っているソファーに身を乗り出してアキは自分の花嫁の頭を撫でた。
そして次に大分膨らんだ彼女のお腹を撫でる。
…どうか……。
どうか…幸せに……。
水「あ。待った」
ア「…は…?」
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