捧げ物

□有紗様へ
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チャポン……。














「あー…、いい気持ち…」













……都会から車で揺られる事数時間。



マニアックな土地にこれまたマニアックな温泉に連れて来られた一行は、着くなり早速温泉へと足を運んだのだ。



本当ならここにアンナも居るはずだったのだけれど今日は生憎風邪で女子はカナン1人だけ。



寂しいけど、今回の理の旅行はお兄ちゃんがいるしまぁいいか。














「……それにしても…」













…それにしても贅沢だな、とカナンは露天風呂の淵に座りながら考えて絶景を眺めた。



何せ温泉は無料、しかも無人ときたのだからいい事この上ない。



ゆっくり入れそうでよかったよかった。









……と。



そう思って再び湯船に浸かった次の瞬間だった。









ガラッッ!!!














?「おっ。思ったより広いっスね」



?「やな。それに中々綺麗やないか」



?「でしょー?さーてまずは露天風呂にでも入ろうか」









「……。」














…気のせい…だろうか。



うん、気のせいだと信じたい。



でもおかしいな。確かに女風呂に入った憶えが……、









(憶えが………ないっ!!?)








よく考えたら入り口に女風呂・男風呂って表示自体あったっけ?!



ここか〜、なんてなんと無く入っちゃったような気がしてきたんですけど!!



もしかしてとは思うけどここつて……っ!














?「よっしゃあ!一番乗りだぜ!!」



?「八田ちゃん、風呂の中では走ったらあかんよ?それにそこにいらっしゃるやろ先客、が………、…………。」



「……っ、お兄ちゃん…!て事はやっぱり混浴かぁぁぁあ!!」










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