捧げ物
□40万hit記念夢小説!!
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side 玲央
………カナンを追って来た先は何故かスーパーマーケットだった。
一体何の為に?と思いつつ3人も中に入って尾行を続けた結果結局カナンが買った物はキャベツとお肉、そしてジュースと何故か小学生が好むようなお菓子を数個。
ここで益々分からなくなった彼らは入って来た時よりもその頭に各々疑問符をたたえつつ、そのまま大人しく彼女の後を追ったのであった……………。
「あ………!!」
「?どうした小太郎」
「いいから隠れて隠れて!!」
「……?あれは……子供………………?」
「…何だか懐いてんなぁ。玲央、お前あの餓鬼に心当たりは?」
「うーん………私の知る限りじゃないわねぇ……。あ、移動するみたい」
「!追いかけなきゃ!!」
「あ、おい!待てよ小太郎!!!!」
……そして尾行を続けてから1時間が経過した頃。
突然現れた謎の少年に玲央は先ほどのお菓子の理由はあの子か、と何やら冷静に察していた。
ただ気になるのはあの手慣れた様子。
あの感じからしてあの子とカナンは以前からの知り合いだったのだろう。
そうして分析と観察を続けた結果、子供は何やらカナンと話した後喜ぶ仕草を見せ、そのまま自然な流れで手を繋いで再び歩き出すのだった……………。
「あ、あそこに入ってくね」
「何だアパートか?見た目普通の何処にでもあるアパートだなぁ。カナンは何しにここに来てんだ?」
「さぁ……?てか暫く出てきそうにないしあそこでお茶しない?俺お腹減ったよー」
「あぁ、あそこならこのアパートも見れるしいいんじゃねぇの?俺も腹減ったぜ…。いいかー?玲央」
「……しょうがないわねぇ。でも私はお腹減ってないから付き合いだけよ」
「はいはいっと。んじゃ行こーぜ」
……………と。そうして彼らはカナンが入っていったあのアパート全体が見えるファミレスに歩みつつも、玲央の気はあのアパートで一杯だった。
……本当はお腹が減っていないんじゃない。食べられないだけだ。
だって玲央は外見は平然を装っているが、本心では今までにない程焦りまくっているのだから。
子供がいるとはいえ、あの中で彼女は何をしているのか。
何の目的があってあそこに行ったのだろうか。
気になる。非常に気になる。
けれど今は…………………………。
(……今は待つしかない、か………………。)
「おーい、玲央〜?」
「レオ姉ーー?どしたの〜??」
「……何でもないわ。今行くから待ってて頂戴」
…………………だから全てが分かった時。
その時の真実が良かれ悪かれ覚悟なさいよカナン。
この私をここまで翻弄するのは過去にも未来にも貴女だけなんだから……………………。
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