泣き虫カノジョ
□第4旅
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「玲央はね、あの人……貴方からいえば伯父さんとそっくりなのよ」
「玲央が……?」
…あの後伯母さんに手を引かれるがままに、1階にある落ち着いた大人の雰囲気が漂うカフェに入ってカナンはアイスティーを。伯母さんはコーヒーを注文した。
席は各ブースで仕切られていて、通路に人が通らない限り誰にも顔は見えないという内装だった。
加えて角の席をとれたので完璧に隔離状態の中、向かい側に座った彼女はコーヒーを一口飲むとそう言ったのだった……。
「昔から玲央は観察力に長けていたからきっとお父さんを見て育っちゃったのねぇ。あの人もそうなのよ。他人と一線引くところ」
「……、」
「でもあの人の場合は親しい人なら誰でも線の中に入れてくれたわ。だけど玲央は違うみたい。家族は勿論入れてくれるけれど他人を入れている所なんて見たことないわ」
「……、それは…」
「でもね、例外が2つだけあったの」
「……?」
【実渕玲央】
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