想いの結晶

□第1想
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………………それはまさしく偶然であった。


















その日は一限から講義が入っており、カナン・ミューこと陽カナンは朝7時に起床した。



そして朝食を食べ、着替えをし、支度等を済ませて家を出た8時15分。



一限は8時50分からなので大学とマンションが近いカナンにとっては、歩いて行っても余裕の時間であった。



なので途中コンビニに寄り、最近お気に入りの甘い珈琲を買って飲みながら大学へ向かっていた細やかな至福の時間。ありふれた日常のその時に。



初等部、中等部、高等部、大学部が共有する入り口である門の前に、なにやら人だかりが出来ている事に気が付いた。



しかし自分には関係ないと、一瞬だけ目を向け後は何事もなかったかのように鞄を片手に、滑り落ちてきた珈琲を持ち直しながら通り過ぎたその瞬間。



どこか懐かしい香りだな、と思ったが何処で嗅いだのか忘れていた匂いに脳が刺激された直後、カナンの腕は物凄い力によって押さえ付けられていたのであった……………………。



















「カナン……………………?」

























【再会】



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