想いの結晶

□第7想
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side ロビン
















「えぇっ!?バニラのお姉ちゃんが行方不明!!!?」



「そ、そんな!だってお姉ちゃんはグラシエ大尉と暮らしてるってロビン先生…………………!!」



「……………今朝、いなくなったんだ。一応大学に問い合わせてみたんだが、午前中に辞めるという電話が本人からあったらしくてな。恐らく彼女はもうこの地にいない」



「そんな!!」



「念の為接触には気を付けろ。いいな。」
















……………それは、遡る事9時間前。



この日オフだったロビンは始め朝早く起こされた事に不機嫌だったのだがそれでもグラシエからの応答に渋々応え、会ったら文句の一つでも言ってやろうかなどと思いながら家に向かったのだった。



しかし思い描いていたいつもの温かな光景とは違い、その空間は絶望に近いもので覆われていて。



リビングのテーブルには壊れたブレスレットと手紙があり、その近くにはその中身であろう2枚の手紙を持ったグラシエが生気を無くした顔で座っていた。



それに慌ててロビンが声をかけると漸くそこで彼の存在に気付いたらしいグラシエがそれまで手に持っていた手紙を彼に押し付け、そのままソファーに雪崩れ込んで。



………………その際見えた彼の悔しそうな泣き顔に、俺は思わず言葉を飲み込んだのだった。



そしてその涙の理由は恐らくカナンが去った事に対してのものではなく、その押し付けられた手紙の内容によって、だ。











『私がオグルではなかったらグラシエの気持ちに応えられたのに。』




















「…………………あの馬鹿はいつもそうだ。一人で抱えて、苦しんで。今回だって最善のつもりでこの道を選んだんだろう」



「ロビン?」



「カナンはグラシエを思って離れた。これ以上彼奴を苦しませない為に」



「え………………………?」



「その結果どれだけ哀しんでいるかは見もせずに、ほとんど“愛してる”って言ったような手紙を残してな。本当に優しくて馬鹿な女だよ、オグルもグラシエも捨てられずにさ」



「お姉ちゃん、グラシエ大尉……………………。」



「グラシエは今目も当てられないよ。これまでより、カナンと再会する前よりも酷い状態だ。こんな事なら…………………いや、やめよう。兎に角そういう事だからカナンには注意しておく事。いいな?」























【刻一刻】




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