It's a smallworld
□第1話
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森の中、周囲には墓。
入ろうとする者など誰もいないだろうと思われる廃屋。教会跡のようだ。
その中に4人の男女がいた。
「鳥の囀り、差し込む陽光…
いやぁ〜お茶を飲むには最高のシチュエーションですネ♡」
その中の一人、ザークシーズ=ブレイクはティーカップを手に取りながら言った。
「いい加減ティータイムは終わりにしてくださいブレイク。
不謹慎ですよ」
そう言ってブレイクに近づいたのは四大公爵家が一つ、レインズワース家の令嬢、シャロン=レインズワースだ。
「いーじゃないですかシャロンお嬢様。
“道”がつながるにはまだ時間があるでしょう?」
ブレイクは笑いながら受け流す。
「君もこっちでアメでも食べないカイ?「若様」♡」
ブレイクは飴を振りながら、隅の椅子に座っていた黒づくめの青年に声をかける。
「…………結構だ」
青年はブレイクを横目で見ながら答える。
「君はどうだい?」
今度は青年の傍らに立っていた長い金髪の少女に声をかける。
「私も結構です」
少女は微笑みながら首を横に振る。