脚光とその影

□休暇
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倒れた原因は、睡眠不足とストレスと診断された。

思い当たる節はあったので、

「1日の十分な休暇を」との医師からの指示を素直に聞くことにした。






目を覚まし、スマホのホーム画面で時間を確認すれば、AM5:15を表示している。


もう一寝しようと目を瞑るが、入眠することもできず、


起き上がって、身支度の用意を始めた。




























































利用している寮の周囲はランニングコースになていて、所々に休憩できるようにベンチや小屋などが置かれている。


少しゆっくり歩いて、朝の冷たい空気を肺に思いっきり吸って、誰もいない小屋のベンチに座る。

一息ついて、持ってきた水を飲みながらぼうっとする。

すると、遠くからウェアが擦れる音がする。

目を凝らすと、黒いジャージの人が走ってくるのが見える。

途中、熱かったのか、フードを取ったのを見て、祐希君だと分かった。

視線を感じて気づいたのか、私の姿を見て、目をまん丸くしている。

私は、へこっと頭を下げた。




「1日休んでろって言われたんじゃないの?」



小屋までやってきた祐希君は、ちょっと冷たい感じにいった。



「そうなんだけど、半日も休ましてもらってなんとか回復したし、

 何より、寝すぎて身体痛いから…」


そんな言い訳するような私に対して、ため息をつきながら、隣に腰掛ける。



「あの、、、昨日はありがとう。

 イタリア人の女性の通訳してくれたのと、



 倒れてたの気づいてくれたの、、、」





昨日、倒れたのを見つけてくれたのは祐希君だった。

柳田さんから言われて、わざわざ戻って確認しに来てくれたら、倒れていく私を見て、対応してくれた、らしい。





「……ホント、血の気が引いた。

 試合前にあんなこともあったから、余計びっくりした。」

「…ほんと、申し訳なかったです……。」

「…マサさんが、朝から顔色悪いって気づいてたのに、気にかけられてやれなくて、悪かったなって言ってた。」

「…明日、謝ります。」



しばらく沈黙。

祐希君はドッと疲れているような表情。

ほんと、余計な気を使わせてしまったと、申し訳なくて、顔が挙げられなかった。




「…今日は、どーすんの。」


今日は、全体がOFFの日だ。

とくに予定もないが、流石に寝飽きていたので、カフェにでも出かけようと思っていた。



「…きっと寝てられないだろうから、カフェとかに出かけるつもり、だけ、ど…」


「…病人なのに?」


「いや、だって、お医者さんも『リフレッシュは必要』っていってたから、

 ちょっとおしゃれなカフェでのんびりしようかなぁ…って…。」


恐る恐る祐希君の顔を見ると、「はー」と呆れて下をみている。

これは、怒られる。







「分かった。じゃあ…」































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