BASARA

□恋するニャンコ
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「名無しさん、おいで…?」


大きな手が私の頭を撫で上げ、私は首をあげた。
すると、首に着けた鈴がちりんと音をあげた。


「にゃ〜(ご主人様〜!)」

大きなクッションに身を埋めていた私は鈴を鳴らしながら体をあげ、ご主人様の膝の上に移動する。


「…良い子良い子」


そう言ってまた頭を撫でてくれるご主人様の手に擦り寄るとご主人様は笑ってくれた。


私のご主人様は動物の声の意味を聞くことが出来る。
だから私が声をあげれば、意味を理解して、それを行動に移してくれるの。

すごく優しいから、私はご主人様が大好きなんだよ!


「にゃお!(もっと撫でて撫でて!)」


そう声をあげれば、ご主人様は優しく何度も何度も頭を撫でてくれた。


嬉しくてゴロゴロと喉を鳴らせば、ご主人様は私を抱き上げて鼻を寄せてくれた。


それは猫にとってキスを意味していて、私も嬉しくてご主人様に鼻を寄せた。


「にゃーお(ご主人様、あのね!好きだよ!!)」


私がそういえば、ご主人様はまた鼻を寄せて、


「僕も、すきだよ」


って、言ってくれた。




嬉しくて嬉しくて、

だから私はもう一度、

「大好きだよ!」

と叫んだ。





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