BASARA
□てるてる坊主
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「はぁ……」
「…………」
「…はぁ〜」
「…………」
「はぁ〜…」
「…うるさい」
何度もため息を吐く私にうるさいと暴言を言ってのけたのは我幼馴染みの小太郎である。
「だってぇ〜!!」
私はそう声をあげてクッションに埋めていた顔を持ち上げ、黙々と読書を楽しんでいる小太郎を睨み付けた。
「せっかくの遠足だよ!?なのに明日雨とかあり得ないっ!!」
手に持っていたクッションを小太郎に投げつけてベッドの上でバタバタと暴れる私に、小太郎は本から私へと視線を移して口を開いた。
「川でバーベキューするだけでしょ……。…なんでそんなに行きたいの?」
「それは……っ!」
「何……?」
「(小太郎と一日中一緒にいれるから、なんて言えるわけないじゃんか…!!)」
うぅ〜、と唸り続ける私に小太郎は首を傾げた。
「なら…、てるてる坊主でも作れば?」
「……作ったら晴れる?」
「晴れる晴れる…(……多分)」
「じゃあ作るっ!!」
私はベッドから起き上がりティッシュと輪ゴムとテープを用意し、テーブルにそれらを広げた。
「小太郎も作って!ひとつよりふたつの方が効き目あると思う!!」
「……わかった」
少し面倒臭そうに作業を始めた小太郎をみて、私もてるてる坊主を作り始めた。
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