BASARA
□クリスマスプレゼント
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『聞いて聞いて、かすが!!クリスマス、彼と過ごせることになったんだ♪』
私はそう言って隣に座って仕事をしている同僚のかすがに椅子ごと近寄った
彼は部署こそ違うが同じ会社に勤めている、が、仕事の忙しい彼とはなかなか会うことが出来ない。
クリスマスに会えるなんて、夢のような話なのだ。
そんないかにも幸せと顔にかいたような私にかすがは顔を輝かせた
「そうか!私も謙信様と一緒に過ごそうって約束したんだ♪」
『「良かったねー/な!」』
二人で手を合わせキャッキャと声をあげる。
「おい!!苗字なしさん、かすが、話をするな、とは言わねぇー。だがなぁ、そんなものは仕事が終わってからにしやがれ!!(怒)」
浮かれた私たちに片倉専務が渇を入れた。
『う、スミマセン…』
「ちっ、せっかく盛り上がっていたのにっ!(苛)」
そんなかすがに片倉専務はため息をつき、仕事しろ、といって机に戻っていった。
片倉専務こと、片倉小十郎さんは
仕事はもちろん、頭も良いし顔も良い、会社の中でも人気があって告白して来る女性は絶えないようだ。
全て断っているらしいが…。
私が入社したての頃、部下がどんなミスをしてもすぐにフォローして、すぐに問題を解決していく彼に、私は心を惹かれていったのを覚えている。
まぁ、今は彼氏もいるし、ちょっと怖いけど優しい上司程度にしか思っていないが。
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