召喚少女と政務官の物語
□召喚少女と政務官の物語
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「やったわー!ついに完成よぉー!!」
女性の声と共に扉が開き、声の主が部屋へ入ってきた。
「ヤムライハ!もう少し静かに出来ないんですかあなたは!!」
私は手に持っていたペンを机に叩きつけるように置いてヤムライハに声を荒げた。
「王よ、聞いて下さい!ついに召喚魔法が完成したんです!」
しかしヤムライハは私の言葉など無視して、シンへそう言った。
「召喚、魔法……?」
なんのことか分からず、私は首を傾げた。
「そうか!やっと完成したか!」
しかし、どうやらシンは状況を把握しているようでヤムライハと同じように目を輝かせ椅子から立ち上がった。
「はい!つい先程完成しました!」
「なら早速その召喚魔法、見せてくれ!」
「ちょっとシン!?まだ仕事が終わってませんよ!」
すぐにでも部屋を出ていきそうな主の腕を掴む。
「後でやる、後で」
「あ、後でって……、って、シン……!」
呆然としている間にシンとヤムライハは部屋を出ていってしまい、私は慌てて二人を追いかけた。
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