TOA

□伊達メガネ
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「そう言えば、名前はなんでメガネなんか掛けてるんだ?」






今日は久しぶりの宿屋で一人部屋。

テンション駄々上がりの俺は、与えられた部屋へ向かっている途中、買い出しから帰ってきたガイとバッタリ。

久しぶりに酒でも飲もうということになり、現在俺の部屋で飲酒中……。

元々お酒に弱い俺は、ゴクゴク飲み干すガイとは対照的にちびちびと強いアルコールを喉に流し込んでいた。

そろそろ酔ってきたから飲むのやめようかな、なんて考えていると、顔色1つ変えていないガイが口を開いた。

そして、いきなり冒頭の質問を投げ掛けられた。


「なんでいきなりメガネ……?」

ぼーっとする頭で考え、そう返せばガイは、いや、とまた喉にアルコールを流し込んだ。

「だって、名前は目が悪い訳でも、ジェイドみたいに譜眼の関係で掛けてる訳じゃないんだろう?」

「あー、まあ、伊達メガネだし」

「度が入ってないのか?」

そう言って、ガイはメガネを取り上げようとした。

「ちょ――っ!」

焦った俺はガイの腕を瞬時に掴んで、それを阻止した。

(あっぶなっ!(汗))

「あ、悪いっ、嫌だったか?」

申し訳なさそうに言ったガイに首を横に振る。


「や、嫌な訳じゃなくて、ダメっていうか……」

「ダメ……?」

言葉を濁す俺にガイは首を傾げた。


「いや、なんて言うか……、あーっ、この話はもう終わりっ!」

言葉を詰まらせ、次には叫ぶように言った俺は椅子から立ち上がって、コップにまだ半分以上残ったアルコールをゴクゴクと飲み干し、そんな俺に驚いているガイを部屋から追いやろうとグイグイと押す。

「お、おい、名前!押すなってっ!!」

「いいから、今日はもう終わりっ。明日も早いんだから早く帰れってば!」

目を丸くするガイを部屋から押しやりドアを締め鍵を掛ける。

ドアの外でガイが何か言っているが無視だ無視。


テーブルの上に散らかったアルコール瓶やコップを片付けに掛かった所で、ガイは諦めたのか、おやすみ、と行って立ち去った。


それを確認し俺はベッドに倒れこんだ。



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