TOA

□思惑
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「名前〜♪ちょ〜っと良いですかー?」


ガチャリ、音をたててジェイドが部屋に足を入れた。




「大佐、どうかしたんですか?」


上司の声に振り返って私は首を傾げた。


視線を移すとジェイドの手元には2つのマグカップが握られていた。



「疲れているかと思いまして、ココア、飲みますか?」


ジェイドはニコリと笑うとココアを机にコトリと音をたてながら置いた。



「あ、ありが…とうござい、ます……」

「なんですかー?その歯切れの悪さは?」

「いや、大佐がやけに優しいなぁー、と……、」



ニコニコ笑う大佐にそう苦笑いして、ココアを一口のどに流し込んだ。


「……美味しい………です…」


私の声にジェイドはクスリとのどを鳴らした。



「それは良かったです」



その声を聞いてまた、ココアを一口飲み込んだ。





そのとき、体に熱が走った。


「……、…?」




体、…熱い……

頭も、なんかボーッと、する……




「名前…?どうかしましたか?」


ジェイドの声に、びくりと肩が震えた。



「…た、たいさ……」


熱で潤んだ目でジェイドを見上げる。



「体が、熱くて……、なんか……、やだ…っ、」


苦しさに息があがる。


「熱い、ですか…?」



ジェイドの手が優しく頬を撫でる。


それにまた、びくりと肩が揺れる。





「フッ、効いてきたみたいですね…?」


ジェイドは目を細めてニヤリと笑った。



「…え?……なに、が……?」


未だに頬をなで続けているジェイドに問いかける。



「何って、媚薬ですよ、媚薬」


楽しそうに笑って顔を近づける。


「やっ…、」


チュ、とリップ音をたてて唇を押し付けられる。


力が入らない手で肩を押し返すがまるで皆無。



「名前、そんなことをしても無駄ですよ?」


耳元でそう言うと、ジェイドは私を椅子から持ち上げて近くにある仮眠用のベッドへ下ろされた。


寝そべっている私の上に馬乗りするジェイドはまた優しく頬を滑るように撫でた。


ベッドはギシリと音をたてて二人分の体重を支える。



「さて、名前、ちょっと我慢してくださいね〜♪」


妖しく笑うジェイドは自分のベルトを抜き取り、私の両手をまとめてそれを巻き付けた。

簡単に言えば束縛。



「や、やだっ!やめて、ください…っ!」


抵抗したくても結ばれた手はベッドの柵に結ばれていて、動かしてもガチャガチャと音をたてるだけ。


「やめません♪」


楽しそうな声とは裏腹にジェイドの目はギラギラと熱を帯びていた。







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