僕彼女

□僕と彼女と小さなガラスの靴
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「ねぇー、いつまでやってるの!早く帰ろうよー!!」

少し離れた所から、鈴のような綺麗な声の持ち主である僕の幼馴染みの声が部屋に響いた。

『あとちょっとだから、ちょっと待ってて』

そう言って、僕は手に持っていた鉄の棒を机に置いて、その先端に付いているガラスの塊を切り取った。

言い忘れていたが、僕はガラス工芸部というものに入っている。

理由はまた後にでも話そう。


分厚い手袋の上に乗っかったガラスの塊はまだ冷める様子もなく、僕はその塊をぬるい水へと沈めた。

少しして冷水に浸す。

すぐに取り出して机の上に置くと、彼女はそれに近づいて、わあ!と声をあげた。


「すっごい!ガラスのワンちゃんだ!いつのまにこんなの作れるようになったの!!」

なんて誉めてくれるものだから、僕は嬉しくて頬を緩めた。


『課題だから、作れるようにならないと怒られちゃうからね』

そう言ってから、彼女に視線を移せばキラキラした瞳が僕を捕らえた。

僕はそんな彼女に苦笑いして

『先生に提出し終わったら、あげてもいいよ』

そう言った。

すると、彼女は

「ありがとう!」

と、綺麗な声で笑った。


それから片付けを済ませ、僕たちは家へ続く帰路を辿った。



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