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□むかつく
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僕は絶対、君なんかには落ちない。
それなのにこの感情は何?
すごい、むかつく…
お昼休み、あいつは友達といつも通りにバレーボールして遊んでいて
僕は怪我もなんもしていないけど保健室の窓からそれを観察。
ぽーんっとボールを返すがxxxは恥ずかしいくらいの空振りをした上豪快に転んだ。
キボム「何してんだ、あいつ。」
思わず吹いてしまうとあいつが来ると思いカーテンの裏のベッドに隠れた。
案の定xxxはやってきた。
しかし、先生はいないので自分で手当するつもりか救急箱を持ってきて何やらがさごしていた。
xxx「いったー。絆創膏、絆創膏…」
キボム「先に、消毒液だろ。」
ずっと黙ってるつもりが僕はxxxに話しかけてしまっていた。
xxx「あ、いたの?別に大丈夫でしょ。擦りむいただけだし。」
キボム「その擦りむいただけが危ないんだよ。ばい菌が入ったらどうすんの?」
座っているxxxに近づいて隣に腰を下ろし脚を僕の太ももに乗せxxxが手に持っていた消毒液で処置をしていく。
xxx「キボマー?」
キボム「…何。」
xxx「ありがとう」
キボム「…別に。」
どういたしましてと、お得意のスマイルで返してしまえばいいのにそれが出来ない。
多分、お前の前だからだ。
処置をし終えたのとほぼ同時くらいに予鈴が鳴ってxxxは立ち上がった。
xxx「ほんとありがとね!」
キボム「うん。早く行けよ。」
xxx「もー。せっかく感謝してんのに」
けらけら笑いながら保健室から出ようとするxxxはくるっとゴミの片付けをしている僕に向かって
xxx「キボマ、お母さんみたい!」と、
ふふっ、と微笑んで髪を踊らせながら教室へ戻っていった。
キボム「なにあいつ。」
僕は髪の毛をくしゃっとしてまだ扉を見ていた。
( 可愛くて、むかつく… )
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