ぬら孫

□雨上がりと君の笑顔。
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「うわ、すごいな。」

鯉伴は、民家の軒下で雨宿りをしていた。


いつものごとく、ぬらりくらりと屋敷を出て、誰にも気づかれずに散歩にでたから、傘などもっていなかった。


屋敷を出る時は清々しい青空だったのに、夕暮れ時になるとバケツをひっくり返したような雨だ。


「収まるまで、待つか…。」

そうは言っても、雨はいっこうに止む気配がない。


通りすぎる人も、鯉伴がぬらりひょんの技を使っているため見向きもしないで、家路に急ぐ。


「…しょうがねぇ、濡れて帰るかな。」

ちょっと、距離はあるが…。


そう決心し、歩きだそうとした時。



「鯉伴さん。」



聞き慣れた声がした。


「わ、若菜?!」


そこには、笑顔で傘を差している愛妻がいた。


「よかった、みつかって。」


傘、持ってなかったみたいだから迎えにきたんですよ。


若菜はそういって、自分の傘に鯉伴を入れた。



鯉伴は若菜がここにいることと、ぬらりひょんの技を使っているのに鯉伴が見えることに驚いていた。

 
 
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