オリジナル
□世界の終焉
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『今日、地球が滅びます。』
全世界中の科学者、大統領、占い師が発表した事実。
“地球が終わる時は恋人と一緒にいたい”
そう言ってたJKは、一人何処かへ逃亡。
“早く、地球滅びないかな”
そう言った本人は絶望感に飲み込まれ、意識不明。
外へ出れば、赤ん坊の泣き声、怒り狂った人たちの怒声、女子高生の悲鳴、車のクラクション、犬や猫の鳴き声が飛び交っている。
母親とはぐれた迷子。
治療そっちのけで慌てる医者。
住民から問い詰められている警察官。
人とぶつかり転げ落ちたのか、階段の下には老人の死体。
他にも、ゴロゴロと。
動物や人、老若男女関係なく、皆がただただ自分のことだけを考えている。
みんな、何に怒っているのか、何処へ向かっているのか。
その理由なんて、誰にもわからない。
ポケットに入っていた、WALKMANの電源をいれる。
イヤホンをすると流れ出す、いつもと変わらない音楽。
音楽を聴きながら、私は空を見つめていた。
否。
空から覗く者たちをみていた。
知っていた。
この世界は大きな箱だってこと。
その中で生活してるということ。
私達の人生は、箱の外の者によって作られているということ。
「もう、いらないんだね。」
そう呟くと同時に箱の外から何かが投げ込まれ、辺りが火に包まれる。
そして曲は一番の盛り上がりに入った。
駆け抜けるリズムに合わせるかのように火はこの世界に広がっていく。
「…あっけない終焉。」
そして、燃え広がる炎の中で私は見た。
空の向こうで笑ってる奴らの更に向こうの空で、大きな影が奴らを見て微笑んだとこを。
曲が終わるまで、あと3秒。
「…そっちも、終焉じゃん。」
(ほら、空みてみ。)
(次はそっちだよ。)